先日、会社で昇級するための面接があった。
面接とはいっても、形式的なもので、受けた人は全員受かるものの、とりあえず本人の思考やら年代としての考え方を聞いておこうか!というもの(だと思います)。
そんなわけで、自分の将来のビジョンを話さないといけないわけです。
化学の修士を持っているものの、“学術的な研究”を諦めて製品研究の世界に飛び込んだ5年前。
そこで作られているものは、私の目には「職人芸」に見えた。
先輩と同じような原料、同じような配合量でものを作っても、先輩が出せる独特の感触が出せなかった。
それは先輩本人もわかっていなかった。なんでかしらないけど、彼が作るものには彼の良いクセが出ていた。
彼の仕事のスタンス、ものへのこだわり、姿勢、そして“良いクセ”、全部が私には職人にみえた。
データベースに残った情報で、彼と同じものを作る事はできる。
けれど新しいものを作ろうとしたとき、彼の「思考プロセス」や「嗜好」などはデータベースに残らない。だから、彼のようなものはできない。
背中を見て、毎日へばりついて、やっと習得できる。
そこに自分独自のクセ、エッセンスを加えて自分の味を出していく。
だから面接で、「職人になりたい。彼のような職人を目指す」と職人に対する熱い想いを吐露した。
だけど会社は「彼」を職人と思っていなかった。
昇級面接で評価を下す上の人間が、人を評価できていなかった。不思議な構図。
私のお世話になった先輩は、間違いなく職人です。
だからこそ、あれだけお客様に愛されるものが作れるんです。
あと、下に紹介する本に載っているのも、彼が間違いなく職人の一人だからです。
読み終わった本レビュー。
世界は仕事で満ちている 誰もが知っている、でも誰も覗いたことのない38の仕事案内 (NB Online book) 降籏 学
買ったきっかけ:
会社のお世話になった先輩が載っているからです。
感想:
元々「日経ビジネスオンライン」で連載されていた降旗学さんの「長目飛耳」をまとめたものです。連載されていた当時は写真つきだったのですが、この本では全て写真はカット。文章だけです。
その当時も読みましたけど、改めて一冊の本になって一気に全部のストーリーを読んだんですが、職人のかっこよさに涙してしまいました。
載ってる人で、ものづくり、ことづくりをしている方々、皆職人です。こだわり、完璧を求めて泥臭い仕事をしています。
職人さんの中にちゃんと先輩も入ってる。世の中的に先輩は職人なんです。嬉しいし、かっこよかった。
これがネットで掲載されたときも、「あれお前の先輩だろー!かっこいいなぁ!!」と、載った事を伝えていないのにプライベートの友人・知人から沢山連絡があった。
それがまた、嬉しかった。だから、彼のような職人を目指します。社会的に目立たなくても本当に良い仕事したいと思います。
おすすめポイント:
知らない仕事がこんなにあるんだよ、という本なのです。本当は。例えば「エンバーマー」(亡くなった方に防腐処理や加工を施す方)や、「やき芋屋」、「霊柩車作製者」など。どれもこれも自分の知らない仕事ばっかりで面白かったです。また、それぞれの仕事のやり方やスタンスなど、読みやすいのは降旗さんの文章力のたまものだと思います。
私はこの本を「知らない仕事を知る」本としてではなく、「職人とはなんたるや」を教えてくれる本だと思いました。
壮絶にかっこいい本です。どの年代にもオススメです。
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